2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧
80年代に入る前後からオランダで次々名前を広めていった作曲家たち*1のなかでも、ヨハン・デ・メイ Johan de Meij (1953-) が吹奏楽の編曲*2からキャリアを始め、初めて書いたオリジナルな大規模作品である交響曲第1番『指輪物語』Symphony No. 1 "Lord of t…
ベルギーのヤン・ヴァン・デル・ロースト Jan van der Roost (1956-) も、ヨーロッパの吹奏楽界に一時代を画したスターと言える存在です*1。ヨーロッパのバンド作曲家の常として、コンサートバンドだけでなく英国式ブラスバンドにも大小問わず作品を提供して…
フィリップ・スパーク Philip Sparke (1951-) は、70年代後半から80年代*1にブラスバンド界のスターとして登場し、そのまま現在に至るまで第一線の作曲家として支持されています。個々の作品のどれを推すかについては詳しい人がたくさんいるので、雑な区分け…
ひとまず2000年前後までに限る。太字はブラスバンド的に特に重要と思われる作曲家。 Percy Fletcher: Labour and Love (1913), An Epic Symphony (1926) Cyril Jenkins: Coriolanus (1914), Life Divine (1921) Gustav Holst: A Moorside Suite (1928) Edwar…
戦前に書かれた曲にはジャンルの核となる吹奏楽作品が並ぶヨーロッパですが、1940年代あたりからレパートリー創出の中心は完全にアメリカに移り、管楽合奏・管楽オーケストラ作品*1を除くと寂しい状況が続くことになります。――という話をもう少し細かく言う…
ジョセフ・シュワントナー Joseph Schwantner (1943-) が最初に触れた楽器がギターであり、その後もピアノやハープ、打楽器といった音が減衰する楽器ばかりを偏愛するようになるのはとても示唆的なことに思えます。その資質と、管楽器音楽との親和性は決して…
ロン・ネルソン Ron Nelson (1929-) は世代としてはチャンスやマクベスに近いころの人で、『ロッキー・ポイント・ホリデー』Rocky Point Holiday (1966) も彼らの試みと並行して書かれた作品ですが*1、この時期塗り替えられはじめていた吹奏楽の音色のパレッ…
ジェイムズ・バーンズ James Barnes (1949-) が吹奏楽界の重鎮であることは間違いありませんが、改めて考えてみると、アメリカにおけるその立場は特徴的なものと言えそうです。その音楽は、ここまで繰り返し言及してきた「アメリカナイズされたロマンティシ…
日本においてクロード・トーマス・スミス Claude Thomas Smith (1932-1987) といえば、その創作歴のなかではどちらかといえば少数に属する、華麗で奏者に大きな負荷をかける作品――特に早い晩年に入って書かれた*1、『フェスティヴァル・ヴァリエーションズ』…