2020-01-01から1年間の記事一覧

06. ミヨー:フランス組曲

シュミットより二回り年下、「六人組」のなかで磊落さのようなものを体現しているダリウス・ミヨー Dalius Milhaud (1892-1974) の作風は、協和音程の多いのびやかな曲想(ありがちですが「南仏の太陽を感じさせる」などとつい言いたくなります)と、新古典…

05. フローラン・シュミット:ディオニソスの祭り

フローラン・シュミット Florent Schmitt (1870-1958) の生年はドビュッシーとラヴェルの間で、この二人(や当時のフランス楽壇の流れ)と同様にしばしば伝統的調性の限界を指向する色彩的な和声を武器にしていますが、この人の場合、ワーグナーやR.シュトラ…

03-04. グレインジャー:リンカンシャーの花束 / アイルランド、デリー州の調べ

パーシー・グレインジャー Percy Aldridge Grainger (1882-1961) はホルストたちと同様にイギリスの民謡からの影響をしばしば見せるものの、出身地であり幼少期を過ごしたのはオーストラリア、留学したのはドイツ(フランクフルト)、キャリアを築いた時期の…

ex. 3人目のイギリス人...ゴードン・ジェイコブ

ヴォーン=ウィリアムズの弟子だったゴードン・ジェイコブ Gordon Jacob (1895-1984) は、師匠と近い時期*1に吹奏楽曲を手掛けており、知名度ではどうしてもホルストやヴォーン=ウィリアムズに譲りますが、戦前イギリスではこの2人に並ぶ重要度の吹奏楽作家…

02. ヴォーン=ウィリアムズ:イギリス民謡組曲

レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ Ralph Vaughan Williams(1872-1958)はホルストの終生の友人でした。ホルストによる『組曲』の10年ほど後に作曲された『イギリス民謡組曲』English Folk Song Suite (1923) は、友人の『第二組曲』を意識したのかはわかりま…

01. ホルスト:吹奏楽のための第一組曲

グスターヴ・ホルスト Gustav Holst(1874-1934)の作曲した『吹奏楽のための第一組曲』 First Suite in E-flat for Military Band*1, Op. 28-1 (1909)は、続けて作曲された『第二組曲』(1911/rev. 1922) とともに吹奏楽史の一つの画期として特別な扱いを受…

吹奏楽を聴くための書籍、ほか

吹奏楽を聴いていくために役に立ちそうな書籍やサイトを挙げていきます。この分野への入口になるものだったり、とにかく知識を広げたいときのためのデータベース的なものだったり。 楽曲紹介など ・磯田健一郎 編『200CD 吹奏楽 名曲・名演 魅惑のブラバン』…